歯科にも広がるセカンドオピニオン 多様化する治療法…迷ったら
納得した治療を受けるために主治医とは別の医師に意見を聞く「セカンドオピニオン」。最近は歯科治療の分野でも積極的に取り入れる医療機関が増えてきた。保険適用外で高額なインプラント(人工歯根)など治療法の選択肢が多様化するなか、迷ったり疑問を感じたりしたときには、”第二の意見”を上手に活用してみるのもいい。(中曽根聖子)千葉県内に住む30代の女性は昨年、奥歯の詰め物がとれて、慌てて会社近くの歯科医院に飛び込んだ。診察した医師は「虫歯が進行しているので、抜くしかない」と説明。その後の治療として、あごに人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着するインプラント治療を勧められた。保険適用外のため、奥歯2本で約60万円という高額な治療費に驚き、知人の紹介で別の歯科医院に相談したところ、「状態は良くないが抜歯の必要はない」と全く違う診断を受けた。東京・虎ノ門にある天野歯科医院にも、今かかっている医師の治療方針に疑問を感じたり、納得できなかったりして訪れる患者が後を絶たない。その8~9割が「抜歯するしかない」と言われた人たちだ。しかも、主治医に遠慮して診断データなどを持たずに来院するケースがほとんど。「歯の根の病気が進行した虫歯の場合でも、治療に手間暇がかかるが、専門医らがいる医院では歯を残せる可能性もある。失った歯は二度と戻らないので、慎重になってなり過ぎることはない」と天野聖志(きよし)院長はアドバイスする。東京歯科大学千葉病院(千葉市)が開設する「セカンドオピニオン外来」の利用者は年間10~20人ほど。相談内容で多いのは、体への負担が大きい外科手術を伴う治療や、インプラント、歯列矯正などだ。ここでは新たな検査は行わず、主治医から提供されたX線写真などの診療情報をもとに、患者の症状に合わせ、各診療科の教授、准教授が診断にあたる。費用は30分で5000円。最初の治療方針と病院側の見解が大きく異なるケースは少ないというが、担当の角田正健(つのだ・まさたけ)教授は「セカンドオピニオンの最大の目的は、患者さんに安心して医療を受けてもらうこと。医師を信頼するかしないかで、治療後の回復具合も変わってくる」と説明する。外来を開設した理由も、「医療技術の向上で、治療法の選択肢が多様化。機能回復に加え、審美的な要求も高まった結果、自費診療での高度な医療が普及、費用と効果の間で判断に迷う人が増えたため」と話す。平成18年度からは、セカンドオピニオンを受けるための診療情報を提供した医師に「診療報酬」が支払われるようになり、患者が別の医師の意見が聞きやすいようになった。しかし、日本歯科医師会によると、制度自体が知られていないのか、活用する人は少ないという。また、セカンドオピニオンそのものには医療保険が適用されず、医療機関によって3万円以上かかることもある。では、実際に「本当にこの治療でいいのか」と悩んだときには、どこへ行けばいいのか。東京歯科大の角田教授が勧めるのは、矯正や歯周病など各学会が認定した専門医。ホームページにリストが掲載されているので、自宅や会社の近くで探してみるのもいい。ネット上の無料歯科相談サイト「歯チャンネル」では、セカンドオピニオンを受け付ける歯科医院を検索できる。サイトを運営する歯科医の田尾耕太郎さんは「一般の内科などに比べ歯科医はその専門性や知識、技量、経験に大きな差がある」と指摘。そのうえで「よりよい治療を受けるには患者力も必要。迷ったり悩んだりしたら、多少費用がかかっても別の医師の意見を聞いてみることが、無駄な出費を抑えることにもなる」と話している。
[引用元:Yahoo[社会(産経新聞)]]
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